全国で生活保護を受けている世帯は2016年12月時点で164万世帯にものぼりました。高齢化社会が進むにつれてますます増えていくことが予想されます。これは、今不自由なく暮らす人にとっても他人事ではありません。
突然働けなくなった方に教える生活保護賃貸の実情とは
もしあなたがある日突然仕事ができなくなり、生活保護制度を利用することになった場合、アパート暮らしなら引越しを検討しなくてはいけない可能性がでてきます。その理由とともに生活保護賃貸の実態についてお伝えいたします。
そもそも生活保護制度とは
まず、生活保護の基本制度について簡単に説明します。
生活保護制度とは、理由があって働くことが不可能な状態の方に最低限の生活を保障してくれる制度です。
扶助内容は、
・生活扶助
・住宅扶助
・教育扶助
・医療扶助
・介護扶助
・出産扶助
・生業扶助
・葬祭扶助
の8種類となっており、対象者の状況によって1つか2つ以上の扶助が与えられます。
生活保護受給者が賃貸物件を探すにあたって一番関係があるのが住宅扶助です。
生活保護受給者にはうれしい住宅扶助
住宅扶助とは、初期費用でかかる敷金・礼金から家賃、またその住居を維持するための修繕費や更新費などを含めた生活保護受給者に支払われる扶助費をさします。
地域ごとに家賃補助として支給される上限額が決めれられており、東京都は53,700円になります。家賃が扶助金より安い場合、支給されるのは家賃と同じ金額が、家賃が扶助金より高い場合は、上限額が支給されます。
例えば東京都で50,000円の家賃に住むとなると月に家賃補助として支給されるのは50,000円、60,000円の家賃だと上限額の53,700円が支給されます。
この上限額で収まらない場合、差額分は生活費からの支払いとなるため、ケースワーカーに上限額以内の賃貸を探すように指導される可能性があります。
生活費から払う時点で家賃滞納の恐れがあるため、今住んでいる賃貸物件が上限を超える場合は引っ越しを考える必要が出てきます。
年々厳しくなる賃貸探し
生活保護受給者にとって賃貸物件を探すのは年々難しくなっています。生活保護受給者だというだけで部屋を貸したがらない大家さん、不動産仲介業者は少なくありません。
理由としては、家賃を滞納されるリスクが高いこと、最悪夜逃げされる可能性があるということが挙げられます。不正受給者によるマイナスのイメージも大きいでしょう。
なかなか厳しい状況ではありますが、生活保護受給者を優良客と考えている大家さん、不動産仲介業者もいます。扶助金が支給されているから家賃滞納のリスクが少ない、長く住んでくれる可能性があるともとれるからです。賃貸が見つかるかは後者の方とめぐり合えるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。
最後に
物件探しの厳しさは2015年から住宅扶助が引き下げられた事も拍車をかけています。しかし根気よく時間をかけて探す事が大事です。物件自体はあります。
実際生活保護受給者向けの賃貸を紹介しているサイトもあるので、とにかく諦めないことが重要です。
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